横浜の整体 横浜天王町カイロプラクティック
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股関節痛について。

股関節の痛み

ここでは、癌の転移や原発性骨腫瘍、結核性股関節炎・急性化膿性股関節炎などの感染症や重度の大腿骨頭壊死、高度な変形症など手術や投薬を必要とす る股関節症を除き、一般的によく見受け られる中高年に多い「牽引による股関節痛」と高齢者に多い「変形性股関節症」、それと子供の「股関節痛」について、カイロプラクティック治療の観点から解 説しま す。

中高年に多い牽引による股関節痛

股関節痛で最も多いのが、これと言った原因もなく発症する股関節痛です。このような股関節痛はスポーツの使い過ぎによって生じる股関節痛とは異な り、 長い年月かけて少しずつ生じるため、患者層も中高年に多くみられます。このような股関節痛の主な特徴は下記の通りです。

  • 今まで股関節が痛かった事がない。
  • スポーツの経験が少ない。
  • 運動不足気味である。
  • 最近太った。
  • 画像診断でも異常がない。
  • 年齢は30代以降。
このような条件に該当する股関節痛は
スポーツや歩き過ぎなどの「使い過ぎ」で股関節が圧迫されて生じる股関節痛ではなく、股関節が足の重みで「牽引」されて生じる股関節痛です。

牽引による股関節痛について

関節は圧迫には強いのですが、関節が抜ける方向に作用する牽引に対しては脆弱な構造をし ています。関節に牽引が加わると、関節に隙間が出来て関節の滑りが悪くなり、関節内に摩擦が生じます。 それが長期化すると、股関節の動きが悪くなったり、痛みが生じたりします。

股関節の牽引は主に歩いている時に加わり、それも体重があまり載らない非荷重側が牽引されます。
体重がかからない非荷重側とは、歩いている時に脚が浮いている時間、つまり下の図1の「遊脚相」の時間が長く、同時に歩幅が広い方の脚のことです。遊脚相 が長いと片足で身体を支える時間 (立脚相)が相対的に短くなり、股関節に荷重が加わる時間も短くなります。反対に荷重側とは、立脚相が長く遊脚相が短い側の事を言います。非荷重側の股関 節には、荷重側よりも遊脚相が長い分だけ、遊脚相の間に脚の重みと脚を蹴り出した時に生じる遠心力によって、長く牽引されます。


歩行周期

図1※1

牽引による股関節痛の根本原因。

このような遊脚相が長い非荷重側と逆に短い荷重側といった歩行時の偏りが生じる原因は、姿勢や重心に偏り が生じているからです。

姿勢の偏り

下の図2では姿勢が左 へ傾 く図 を示しています。この図で見ると下半身の重心は左側にあり、左足が荷重側で右脚が非荷重側になります。そして、この重心の偏りがそのまま歩行に反映されま す。この ように、歩行の土台となる姿勢の偏りの影響で歩行時の荷重に偏りが生じます。

姿勢1偏った姿勢
図2.正しい姿勢と偏った姿勢。

歩行時に右の非荷重側の股関節には、遊脚相で足の重みと同時に、脚を前に出した時に遠心力が加わります。そして 右股関節は慢性的な牽引に晒されて股関節に「緩み」が生じます。そこへ加齢による筋肉の衰えや、体重増加による脚の重量の増加といった股関節 の牽引材料が加わると、股関節への牽引は更に増加し、時間とともに股関節は壊されて行きます。
非荷重側の股関節に加わるのは牽引だけではなく、脚が地面に接地した時に加わる衝撃も加わります。この衝撃が緩んだ非荷重側を更に痛めつけます。

接地時に股関節に加わる下からの衝撃と上からの圧力。

遊脚相から立脚相に移行する時は踵から接地します。その時に、地面から踵→股関節へと強い衝撃が加わります。
下からの衝撃だけでなく、接地時には上半身の重量も非荷重側の股関節に加わります。このように非荷重側の股関節には、上と下からの両方から負荷が加わりま す。

この衝撃は遊脚相の滞空時間に比例して強くなるので、遊脚相が長い非荷重側の股関節は荷重側よりも強い衝撃が踵から股関節に加わります。

歩行時の衝撃

図3.非荷重側に加わる歩行時の衝撃※2

また、接地のときに、上半身の重心は左側から右側に移動し、移動した上半身の重量が非荷重側の股関節に加わります。

このように、牽引によって緩んだ股関節に、下か ら突き 上げる衝撃と、上からの圧迫が加わり関節が壊されていきます。

※1.医歯薬出版株式会社 出版「筋骨格系のキネシオロジー」より抜粋。
※2.医学書院「観察による歩行分析」

高齢者に多い変形性股関節症

変形性股関節症は高齢者に多くみられ、痛みが強くなると、人工関節置換術がよく行われる疾患です。

しかし、変形が進み関節が癒着する前に、可動域制限に対する施術を開始することで、手術を回避できると私どもは思っています。人工関節に置換した場 合、どうしても関節可動域が悪くなるので、できれば避けた いものです。

当院の変形性股関節症に対する施術の目的は、可能な範囲で関節のすべりを良 くし、全身のバ ランスを回復させることで痛みを減少させ、最終的には歩行や日常動作の質を改善させることにあります。そして時間はかかりますが、施術を続 ける事で変形の 進行をストップさせ、骨の改修が起きうるとも考えています。

たとえ変形があっても、手術を回避して痛みが軽減し、動作に支障がなく日常生活が送れるのであれば、生活の質は大きく改善されると信じています。

子供の股関節痛

 小学校入学前後の子供はよく飛び跳ねて遊びます。子供は股関節が未発達なので、強い衝撃を受けると股関節の痛みを訴える事が有ります。 しかし育ち 盛りのこの時期に股関節を痛めるると、最悪は大腿骨頭の壊死を引き起こすペルテス病になる可能性があります。なので、痛みを長く訴える場合はレ ントゲンで股関節に変形などがないかを確認する事をお勧めします。股関節に変形や壊死がなければカイロプラクティックの受診をお勧めします。

 子供の股関節痛の場合、大抵は傷めてもすぐに治ります。もし治りが悪いとしたら、それは、姿勢の歪みや荷重の偏り等が存在し、股関節な ストレスが かかっている可能性があります。

 歪んだ姿勢が歪んだまま、飛んだり撥ねたりする事で股関節の負担が増大して大腿骨頭の変形をもたらす可能性もあります。 股関節に変形を残すことで、スポーツや日常生活が制限され、結果的に子供の未来を奪う事になりかねません。そうならないためにも、子供の頃からカイロプラ クティックによる全身のケアを受ける事をお勧めします。


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