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症例集029:膝痛を伴う股関節痛(寛骨臼唇損傷)。

性別:女性 年齢:40代

主訴:

膝痛を伴う股関節痛(寛骨臼唇損傷)
症状
図1

症状:

左股関節痛(1年前から)と左膝の違和感

病院での診断と治療:

MRI検査により寛骨臼唇損傷の疑いがあることが、当院初診後1ヶ月半後に整形外科により指摘されている。

当院での診断:

左股関節の屈曲制限および内旋制限、左膝関節の内外旋方向へのひっかかり(可動制限)、膝窩の緊張(ハムストリングおよび下腿三頭筋)がある。また、左仙腸関節の前方への離開が存在している。

患者さんからの明確な情報は得られていないが、股関節の関節面間の骨性の接触感から、先天性股関節亜脱臼に近い状態で産まれたのではと推測した。

その影響で、股関節関節面に荒れが生じ、その状態で数十年生活してきたため、右へのわずかな逃避姿勢(図2)が、重心を右にシフトさせ、その結果、左仙腸関節に離開(図3)を生じさせ、下肢後面の筋に緊張をつくり、左膝に問題を発生させたとの仮説診断をたてる。

右重心 骨盤の離開
図2右重心 図3骨盤の離開

当院での経過:

膝および股関節ともに2-3回の治療で、症状が軽減し、膝に関しては2ヶ月後にはほぼ完治の状態になる。

股関節については、あきらかに器質的な変化(関節に構造的変化がある)があるため、3回目の治療後以降は、一進一退の状態が2ヶ月程度続き、3ヶ月を過ぎた頃から、他覚的(検査でわかる状態)にも改善が顕著になり、症状も急激に減少した。


院長の見解:

機能的変化(ズレと周囲の炎症)と違い、器質的変化がある場合は、当然ながら月単位の、時には年単位の加療が必要になります。

変形した関節の場合でも、少しずつ滑らかになるように、滑液を行き渡らせながら、関節軟骨にヤスリをかけるようにちょうどよい圧力でなめすことで、関節がなめらかに動くようになり、症状の改善につなげることができます。

股関節の鞣し 股関節の鞣し
図1 股関節への施術1 図2 股関節への施術2

当然のことながら、下肢に痛みがあると重心が痛みを逃れるようにシフトするため二次的、三次的異常を発生させるので、二次的三次的異常の改善も視野に入れて調整をします。

こういう患者さんは、このまま放置すると、最終的には人工関節になる可能性が非常に高いので、患者さん自身は、おそらくそこまでの危機感はないでしょうが、私としては、そういう結末を防ぐことができたことが、もっとも大きな貢献であろうと理解しています。

人工関節を挿入することは、力学的な全身への影響のみならず、人工物が入ることでの過剰な免疫反応を誘発するし、癌なども含め、健康状態悪化へのリスクを高めることになると考えています。

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