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コラム集024:鎖骨が胃を動かす。

今朝(H19.2.6)から読売新聞の1面に、「元気をつくる」というテーマの連載が始まりました。そこになんと、姿勢と呼吸の大切さが説かれていました。

ここ数日のコラムの内容とのシンクロニシティ(共時性:ユングの概念)に驚くのは、最近のスピリチュアリズムブームに影響されすぎでしょうか?閑話休題、前回の続きとしての、お話です。

鎖骨骨折後の胃の不調。

左鎖骨骨折手術(金属プレートによる固定)2日後から胃の不調(胸焼け、胃もたれ、食欲不振:4か所の病院で慢性胃炎、逆流性食道炎などの診断がなされていました)を感じはじめ、その後その症状が徐々に悪化したという患者さんが、以前来院していました。

当然胃薬(制酸剤、鎮痛剤など)が処方されていましたが、症状の改善がないこと、胃の不調の原因がわからないことで不安を感じていました。<当然、病院においては鎖骨骨折と胃の不調の因果関係は否定されていましたしたが、(骨折によるストレスが影響しただろうぐらいの説明はあったのかもしれませんが、患者さんは言ってませんでした。)これは明かに鎖骨骨折による胃の不調であると直感しました。その根拠は、骨折後(手術後)に胃の不調が生じたのだから因果関係があると考える方が、論理的であるということです。

実際に、鎖骨の両端の関節(胸鎖関節:胸骨と鎖骨の関節および肩鎖関節:肩甲骨と鎖骨の関節)と、鎖骨の動きに連動する肩関節を安定かつなめ らかに動くように調整していく過程で、胃の不調はどんどんと改善していきました。

鎖骨と胃の関係を、直接説いている文献を私は知りませんが、鍼灸の経絡(気の流れ道)は、鎖骨を横切っていますし、大胸筋鎖骨部(大胸筋のうちで鎖骨に起始する部分)が胃に関係すると解説しているカイロプラクティックの学派(アプライドキネシオロジー)もありますから、そういう因果関係に気付いているひとは他にもいるかもしれません。

前回のコラムにも記しましたが、動きと健康の関係を厳密な科学的批判にたえる理論をつくることは今はできませんので、鎖骨ー胃連関に関する一つの推論をあげておきます。


鎖骨と胃の関係

  1. 左鎖骨の骨折が、左肩甲骨の動きを制限し、右肩甲骨の動きを代償的に過剰運動させます。
  2. この状態で二足歩行すると、右腕の振りが大きくなるため、左半身を軸にして、右半身を回旋させるような運動が発生し、運動の安定を 得るために 上半身を左寄せするような姿勢に変化します。
  3. この姿勢は、胸椎を右凸にするような側彎を形成し、右の背筋が緊張することになります。(実際にこの患者さんは、第4~8胸椎右側 の背筋(脊 柱起立筋)の緊張がつよく出ていました。
  4. 右の背筋の緊張は、交感神経を過剰に働かせ、胃の収縮運動を障害し、胃が拡張し、上記のような状態をつくることになったと推測して います。

厳密な意味では、なぜ胃に異常が生じ、他の臓器に異常を発生させないかの解答を与えていないことは承知していますが、胃を支配する交感神経線維が、胸椎の4~8と関連が深いということ以上の明確な解答を持っていません。


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