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コラム集023:現代医学に欠けている視点。

遺伝子とタンパク質の解明に偏りがちな現代医学。

動物は動く生物です。動くために必要な構造をもっています。そして動くことで、その機能が充分発揮できるようになっています。(たとえば、長く座っていると、エコノミー症候群「脚でできた血栓が肺につまることで生じる」が発生するなどは、脚の動きが血液循環機能に重要であることを示しています)

ですから、動きを規制する構造、動きによって変化する構造、動きが細胞、器官、器官系、個体の機能にあたえる影響を理解することで、ヒトが見え、生命現象が見え、健康と病気が見えてくると私は感じていますが、医学研究の現実は、遺伝子やタンパク質の構造とそのはたらきの解明に偏向しています。

当然のことですが、動きが全身の構造・機能に与える影響の解明は、科学的に高度です。人体という超複雑系を、部分にも分けず、非現実的条件(実際の生活ではあり得ない、実験室のみで通用する条件)も与えず、全体として理解しようとする試みですから、簡単なわけがありません。

遺伝子とタンパク質の構造を解明することの方がずっと容易です。一つの遺伝子、一つのタンパク質の働きを解明することのほうがずっと簡単です。簡単なので、一定の成果がでやすい、したがって、論文も書きやすい。

研究者の対象が遺伝子やタンパク質に偏ってしまうのは、致し方ないことかもしれませんが、すくなくとも近未来において、遺伝子・タンパク質の研究が病気に応用できるのは、ある遺伝子があるとかならずその病気になるというような、超シンプルな疾患だけです。超シンプル疾患には難病もありますから、その解決は朗報ではありますが、非常に多くの人に関係する疾患は、シンプル疾患ではありません。

ですから遺伝子の解明が進めばオーダーメード治療ができるようになり、多くの人たちが適切な治療を受けられるようになると、発言されている方々がいますが、ことはそんなに楽観的ではありません。

数多くの遺伝子とそれによってつくられる非常に多くのタンパク質が関係し合い、さらにそこに遺伝子以外の環境要素が加わって生命現象が営まれているわけですから、ひょっとすると遺伝子の病気に関与する割合は、かなり低いかもしれません。

現代医学にかけている動きや生活に関する視点

私は動き=生活の関与の方がずっと大きいと思っているので、優先すべきは、動きと構造機能の関係の解明であろうと思っているのですが、こうい う視点は、残念ながら主流ではありません。遺伝子とタンパク質の研究をやるだけやってもらって、もうこんなことをしていても埒が開かないと多くの研究者が気がつくのを待つしかないようです。

実際のところ、動きの研究が高度に進んだら、間違いなく医学の本流がそれを利用するようになりますから私は失業します。幸いなことor残念ながら?私の生きている間は、私は用済になりそうにありません。

次回は、臨床経験と個人的思索に基づいて、「えっこんなところとこんなところが関係するの?」というような話をして、今回の主張「ヒトー動く生物ー構 造・機能ー健康・病気」論を補強したいと思ってます。


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