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症例集041:子供の首・肩のコリ

主 訴:

首・肩こり(小学校入学前から)、腕のだるさ(ここ1ヶ月)

患者情報:

年齢:10歳 男児

その他の症状:

  1. 持続的に注視することが、努力を要する。読書で改行があると、続きの段落を見失うことがある。
  2. 食が細い。
  3. 左の肋間神経痛。
  4. 左下顎の下が食事すると腫れる。

既往歴:

出産時に頭頂部の左後方部に頭蓋内血腫が存在した。吸引分娩であった。(新生児の頭の骨はまだ出来上がっていないので、柔らかで、かつ骨と骨の間は線維性の膜でつながっているだけです。そのすぐ下に硬膜動脈があります。その硬膜動脈から出血したものと推測できます。)
乳児の頭蓋 硬膜の動脈

手術歴:

3歳の時に、左鼠径ヘルニア手術。

外傷歴:

10ヶ月前に前頭部打撲

当院での診断と検査:

1.観察および神経学的検査によって推測されること

向かい合って話をしていると、首に力が入っているのが観察された。このことから、頭をまっすぐに保ち、視線をこちらの目に向けていることに努力を要していることが推測された。そのため、眼球運動検査を行ったところ、右上方への追視運動のとき、眼球が正面方向に突然戻ってしまう現象が観察された。

右眼球の上直筋、左眼球の上斜筋の共同運動を生じさせる神経系(動眼神経とそれを支配する神経系)に異常が生じているものと思われる(詳細は省略。姿勢と 目の動きは図を参照して下さい。)
姿勢と眼球運動の図

構造診断:

第3/第4頚椎間変位、第6/第7頚椎間変位 、第3/第4胸椎間変位

当院での経過:

1回の治療で、首肩こり、腕のだるさ、眼球運動の異常消失。

2回目の治療を行うとともに,姿勢指導を行い終了。

院長の見解:

幼児の時に、すでに首・肩こりがあること、頭蓋内出血というバーストラウマ(出産時外傷)の既往があることから、出産時の吸引分娩が、頚椎に大きな力学的ストレスを与え、変位をつくり、その微小な変位が成長とともに悪化したため、様々な症状が発現しだしたと考えることができます。

頚椎の異常は、頭の傾きを生み出し、下顎の変位をつくり出し、脳の機能に異常を発生させ、自律神経の異常を発生させる可能性があります。そう考えると、眼球運動の異常(眼球を動かすのは、三つの脳神経の働きです。実際にはもっと複雑ですが省略します)。

食が細い(胃腸の働きは副交感神経、食欲そのものは延髄という脳の一部分にある摂食中枢(満腹中枢)の働きが関係しています。これも、神経系だけに限定して簡略化)などと理解できますし、顎下の食事後の腫れは、顎のズレに伴う顎下腺の導管の詰まりによるものと考えることもできます。そして、左の肋間神経痛は、頚椎の歪みが、胸椎に波及し、肋骨を歪ませ、肋骨下を通る肋間神経に無理な張力がかかったと理解しています。


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