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症例集023:マラソン後の右大腿の痛み。
経緯:
東京マラソンに参加した患者さんが来院。マラソンをやり始めたのは3年前。その間ほぼ毎日皇居の周りを走り、数々のレースに参加している方なので、偶々当選したから皆でわいわいと楽しく走ると いったイベント参加型のランナーではない、かなり本格的なランナーです。
良くレース前の調整とレース後のケアにいらっしゃいます。
今回の成績は自己ベストの更新にはならなかったが自己ベストとほぼ同なのでまずまずの出来。
ただ今回はいつもと様子が違っていました。
いつもならレース後半から脹脛が張って痛くなり、左膝の内側が痛くなるのが常なのが、今回はが30キロ位から太腿の大腿四頭筋の少し内側が痛くなったと 言ってました。
左膝は痛みが無かったそうです。
所見:
治療院内歩いて頂くと右足の振脚音が大きい。歩行時に右へ傾く傾向がある。
歩行時は右足と左上肢の対角線状でのねじれ運動が起こりますが今回は右足と左上肢の運動は殆どありませんでした。
脊柱と胸鎖関節での動きの制限があると歩行時のねじれ運動は制限されてしまい運動に置けるエネルギーコストが増大し、運動効率が低下します。
ねじれの運動が制限されるとねじる変わりに傾きます。だいたいねじれ運動が制限される側に傾きます。
この方の場合、身体を右にひねる運動が制限されるので、歩く時に右へ傾きます。
右へ傾くので右足は左よりも脚が浮いている時間(遊脚層)が短いために脚がしっかり伸び切らないうちに着地します。
右に傾いている分だけ脚には体重がかかります。そのために脚を着いた時に左寄りも大きな振脚音がします。
検査所見:
触診:大腿直筋に緊張と圧痛。筋力検査:右の大腿直筋筋力低下、右の前脛骨筋筋力低下、右の内転筋筋力低下。
脊柱の可動域検査:腰椎の右への回旋性の動きが特に減少している。
右の大腿四頭筋を触診すると、固く圧痛があります。坂道の上りと下り、階段の上りと下りどちらで痛むかを聞くと「坂道の上りの時に痛み出した。」とおっ しゃってました。
マラソンやランニングで大腿四頭筋を痛める主な原因の8割は下りで痛めます。
大腿四頭筋は下り坂や階段の下りの際にブレーキの働をする筋肉です。
下り坂などでは推進力と体重二つの非常に大きな力がかかるためによく膝や大腿四頭筋を 痛めます。
しかし今回は上り坂で痛みを訴えます。痛みを示す場所は大腿四頭筋ですが、そもそも大腿四頭筋はその名の通り4頭筋で頭が4つあります。それぞれ役割が 違うので触診して行くと股関節と膝関節の二つをまたぐ大腿直筋それも内側頭に緊張と圧痛が見受けられます。
大腿直筋の内側頭は股関節を屈曲して膝関節も屈曲した状態で収縮します。
上り坂や上りの階段の最初の一歩を踏み出した時や最初に踏ん張った時に働く筋肉 です。
大腿直筋を筋力検査すると左よりも筋力が弱い。
では、何故この筋肉が弱くなったのか?を調べるために、踏ん張った時に協同で働く他の筋肉(内転筋、前頸骨筋、腓腹筋、等)を調べると内転筋が特に弱い事 が分かりました。
大腿直筋も内転筋も骨盤(厳密には腸骨と恥骨)から着いているので骨盤の歪み具合を診ると骨盤が大腿骨に対して前方にズレています。
また、先の右へのねじれ運動が制限されている事から腰椎の歪みを検査すると腰椎5番(腰椎の一番下の骨)が左へ回旋し、4番が右へ回旋することで動きを 制限していました。
診断:
腰椎 L4右回旋偏位、L5左回旋偏位により脊柱での回旋性の可動性が制限された事。これにより回旋制限のある側ここでは右側へ体幹が傾きます。
身体が右に傾くと右脚が浮いている時間(遊脚層)が短くなるので脚が伸び切る前に接地します。また、右脚へ体重も含めた衝撃が余計にかかります。
脚が伸び 切る前の股関節屈曲位で膝関節や屈曲位の状態は最も大腿直筋に負担がかかります。
大腿直筋と協同に収縮して脚を支える筋肉である内転筋の筋力が低下している事も重なり余計に大腿直筋に負担がかかり痛みを発した 。
そのためカイロプラクティック的診断はL4右回旋偏位、L5左回旋偏位と右股関節の外旋偏位。
右腸骨の右前方偏位。左胸鎖関節の上方偏位。
処置:
右大腿直筋の筋緊張を緩め、内転筋を強化する処置をしてから、上記の腰椎の5番(L5)の左回旋偏位と4番右回旋偏位(L4)、腸骨右前方偏位、左胸鎖関節上方偏位を矯正する。
処置後:
施術前は体幹は右に傾き、歩行時に右側への回旋制限があったために右と左で手の振り等もチグハグでしたが、施術後はほぼ同等になった。
また、右大腿四頭筋付近に訴えていた痛みと脹脛の張りも殆ど無くなった。
特別訴えなかったが施術前は左肩が張っていたが施術後は張りが無くなったとおっしゃってました。
指導:
右足で地面を蹴る力が左よりも弱いのが右側への回旋制限に影響していますが、特別に筋力が弱い訳ではなく、地面を蹴り出す時の各筋肉に於る 運動の連続 性が効率よく機能していないのが原因です。簡単言えば筋肉という構造上の問題ではなく使い方、運動制御といった機能上の問題です。
この場合は走るフォームを変えるとなると時間もかかりますし下手すると弊害の方が大きくなります。なので分析してその都度、筋肉や関節の感覚を意識的に 感 じる事で筋や関節の感覚を刺激し、脳内にある運動時の身体地図を再教育しなくてなりません。
再教育のための運動指導として、背骨の感覚や筋肉の緊張を意識的に掴んでもらうための簡単な運動を指導しました。
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