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症例集019:右股関節の痛みと左膝の痛み。

主 訴:

階段を上ったり、膝を挙げたりした時の股関節の痛む。階段を下りたり、長い時間歩いていると左膝が痛くなる。


患者情報:

年齢:30代前半 性別:女性 職業:OL。


現病歴:

2ヶ月前から、何をしたわけでもなく右股関節の付け根辺りに違和感を感じていたが、そのまま放置。

2週間前に通勤で駅の階段を歩いて上っていたら急に右股関節の付け根に痛みが走る。

それ以来、階段を上ったり膝を曲げたりすると同じところが痛む。しゃがんだ状態時には痛みは無い。また、普通に階段を上ると痛むのに階段を駆け上ると痛みはあまり無い。でも、逆に左の膝が後になって痛くなる。

左の膝は、先週ぐらいから痛くなり出す。特に長く歩いた時や股関節とは逆に下りの階段や膝を曲げると痛む。


病院での診断:

なし。

検 査:
①歩 行:

前傾姿勢で歩幅が小さい。また、脚を前に出して歩幅を取るのではなく、骨盤の回転させることで歩幅を稼いでいる。長い間ハイヒールを履いていた人にこの手の歩き方がよく見られる。

②姿 勢:

目を開けた状態と閉じた状態の立位に於ける身体の動揺を調べる。開眼では左後方と前方に揺れる。

閉眼では右前方に揺れる。視覚からの情報が遮断された場合は、体性感覚からの情報だけで姿勢を制御しなくてはならない。しかし、体性感覚からの入力が低下していると、身体は筋肉の緊張を正確に認識出来ずにそちら側へ傾く傾向がある。そのため開眼立位とは異なり、閉眼立位では右前方へ傾いた。

③関節の動き:

股関節の動きを調べると他動的に屈曲するときに痛みは無いが、自動で屈曲した場合は初期から40°ぐらいの中期で痛みが出る。以上の事から股関節の問題ではなくやはり筋肉の問題である事が確認出来る。

膝を挙げた時に骨盤は右斜傾する。そして体幹は左に傾く。立位の姿勢で右股関節は内旋し外旋に対して抵抗がある。そして、固有感覚の入力の低下は同側の骨盤や股関節に同側の骨盤及び股関節に関節面の離界による「緩み」がある事が多い。

逆に左下肢は荷重側になる傾向があり、荷重が集中する仙腸関節や膝関節に引っかかりが生じやすい。右股関節と仙腸関節はそれぞれ緩んでおり、左の仙腸関節と膝関節はそれぞれ引っかかりが感じられる。

④ 筋力検査:

筋力検査では中殿筋が左右とも弱いが、特に右が弱く、力を入れる際に反対側(左側)の腰仙部に痛みを訴える。

大腿筋膜張筋も同じく筋力低下と股関節付近に痛みを訴える。大腿直筋も右は弱化が見られ抵抗を強めると右股関節の付け根に痛みを訴える。

診 断:

 右の大腿直筋、大内転筋、大腿筋膜張筋の筋力の筋力低下は、右仙腸関節の離開による骨盤の不安定性が大本の原因である。そして、骨盤の不安定性は歩行時に右下肢と左下肢にかかる荷重のアンバランス。つまり歩き方が原因である。


処 置:

骨盤の不安定性を解消するために右の骨盤を矯正し、安定性をつけると同時に荷重が集中し動きが無い左の仙腸関節に動きをつける。

右の股関節と膝関節、足関節をそれぞれ矯正し、荷重が集中し痛んだ左膝の半月板を鞣して関節面を滑らかにする。

結  果

初 回で階段を上る時に感じる右股関節の付け根付近の痛み下る時に感じる左膝の痛みは1回目の施術で解消した。しかし、この方の症状は長い間ハイヒールを履いていた事が原因で、その後の症状に繋がっているために再びぶり返す可能性は非常に高い。

その事を伝え、局所の股関節と膝の問題を解決しつつマクロの姿勢と歩行の問題を平行で解決する事を提案する。


2回目で右の股関節の痛みは消えたが今度は右膝の内側が痛くなったと訴える。

左荷重側から徐々に右側へ移動しつつあるために右の膝や足首に負担が増えるから痛み出すのは想定の範囲内である事を伝え、右の骨盤と足首に対する処置を重点的に行う。同時に、正しい重心を習慣付けるためのトレーニングを始める。


3〜6回目では上半身の傾きと骨盤の安定を目的と下した施術を行い、身体の傾きが修正され骨盤が安定してくると歩幅も広く歩けるようになる。

今後は施術の内容を矯正重視からトレーニング重視に変更する。


その後、月2回のペースでメンテナンスを行う。

施術者から一言

ハイヒールはとても特殊な靴です。それを履いて健康サンダルや雪駄のように歩けば当然壊れます。靴を売るだけでなく靴にあった正しい歩き方もしっかり教える靴屋が出来てほしいものです。



トップ症例集症例019:右股関節の痛みと左膝の痛み。